【中学生】集団塾に向いている子・向いていない子の特徴
中学生の勉強は、小学生の頃に比べて授業内容の難易度が増し、小テストや定期テストも頻繁に実施されるため、ただ「わかった気がする」レベルでは乗り切れません。本記事では、集団塾の学習スタイルをふまえ、どのような生徒が集団塾に向いているのか、また、向いていない生徒にはどのような学習スタイルが適しているのかをくわしく解説します。
集団塾の学習のスタイル
一般的な集団塾では、講師ひとりに対して10〜30人程度の生徒がひとつの教室で授業を受けます。学校と同様の「集団授業」の形式で進行し、講師が一方的に授業を進め、生徒はそれを聞いて理解を深めていくスタイルです。
授業で学んだ内容は宿題として課され、次回の授業までに復習しておくことが前提になります。塾によっては中学3年の夏前には全教科の教科書内容を終了させることを目標としており、学校の授業よりもおよそ1.5倍のスピードで学習が進行するのが一般的です。
集団塾のメリット
塾独自のハイレベルな教材や指定教材を使用し、質の高い問題に取り組むことができます。応用力をつけたい生徒にとっては理想的な環境です。さらに、模擬試験や定期テストの成績でライバルのクラスメイトたちと競い合うことで、モチベーションの向上や実力の飛躍的成長が期待できます。今までの自分以上の成長を実感することができるでしょう。
集団塾のデメリット
集団塾では自分で解決する力が求められます。授業のスピードが早いため、わからない部分をそのままにせず、自ら質問したり、家で復習する必要があります。受け身ではついていけません。
反対に、自分のペースで進められないというデメリットもあります。集団授業では、全体の平均的な学力に合わせた進度で授業が進むため、もっと早く授業を進めてほしいという要望にはなかなか応えてもらえません。
集団塾に向いている中学生の特徴
集団塾で成果を上げられるかどうかは、その生徒の性格や学習スタイルに大きく関係しています。以下のような特徴をもつ生徒は、集団塾に適しています。
①学校の授業以上の学びを追求したい生徒
集団塾は学校の授業以上のペースでカリキュラムを進めていくのが一般的です。学校の先取り学習をどんどん進めながら、発展問題や応用問題を解いて高い学力を身につけていくのです。
つまり、普段の学校の授業で「もっと難しい問題に挑戦したい」「学校の授業では物足りない」と思っている生徒にとって、集団塾は刺激的な学習環境となるでしょう。先取り学習や発展問題に継続的に取り組めることから、難関高校を目指す上位層の生徒にとくに向いています。
②自宅での学習習慣がある生徒
集団塾では、授業の内容を定着させるために自宅での宿題や復習が必須です。授業を受けるだけではなく、自ら学びを深める習慣が身についている生徒は、集団塾で着実に力を伸ばすことができます。
③競争心が強い生徒
集団塾では模試や定期テストでの順位でクラス分けが行われます。自分がどの程度の成績なのかつねに可視化され、結果で競い合う環境は、負けず嫌いな生徒にとっては大きなモチベーションになります。「周りに負けたくない」「成績を上げたい」という気持ちが強い生徒は、集団塾の環境にぴったりです。
集団塾に向いていない中学生の特徴
一方で、以下のような特徴をもつ生徒には、集団塾は必ずしも最適とはいえません。集団塾に通っても効果が出にくいばかりか、成績が下がってしまったり、勉強への苦手意識が強まることもあります。
①自分のペースで学習を進めたい生徒
集団塾では自分の得意不得意に関わらず、ほかの生徒たちと同じペースで学んでいくことになります。「どこからつまずいたのかわからない」「自分の理解度に応じて学び直したい」という生徒にとって、集団塾の一律のペースは大きなストレスになります。
理解できない部分が積み重なると、授業そのものが苦痛になることも。このような生徒には、ひとりひとりの学力や課題に合わせた指導が可能な学習スタイルのほうが効果的です。
②学習意欲が消極的な生徒
「勉強が苦手」「がんばっても成績が上がらない気がする」といったネガティブな気持ちをもっている生徒にとって、集団塾の競争的な雰囲気はプレッシャーになってしまいます。さらに、集団塾では自宅学習が欠かせないため、勉強の習慣がない生徒は授業についていけず、ますます意欲を失ってしまう恐れがあります。
③積極的に発言をすることが苦手な生徒
集団授業では、わからないことがあっても挙手して質問しなければ授業は進んでしまいます。人前で質問することに抵抗がある生徒は、疑問を抱えたまま授業が終わってしまうケースが多くなります。そういった生徒は、よりていねいに対応してくれる指導形態のほうが、学習内容の理解を深めやすく、学習意欲も高めやすくなります。
まとめ
集団塾は、応用力を伸ばしたい、競争の中で成長したいという意欲的な生徒にとって非常に有効な学習環境です。しかし一方で、学習ペースや理解度に課題を感じている生徒にとっては、逆に不安や挫折につながる可能性もあります。中学生の学習において大切なのは、「自分に合った学習スタイル」を選ぶことです。集団塾が合っているかどうかを見極めたうえで、適切な学習環境を選択することが、成績向上と志望校合格への近道となるでしょう。