【高校受験】英語の点数をあげるポイントを紹介
高校受験の英語は、単なる暗記ではなく、積み上げ式の理解力と実践力が求められる科目です。多くの受験生が「英語は難しい」と感じる背景には、学習の方法や順序が影響していることが少なくありません。本記事では、高校受験における英語の出題内容から、成績アップが難しい理由、効果的な勉強法までをくわしく解説します。
高校受験の英語科目で出題される問題
高校受験の英語では、以下の5つの分野から出題されるのが一般的です。
リスニング
筆記試験に注目が集まりがちですが、多くの都道府県ではリスニング試験も実施されます。特に東京都ではスピーキング試験と合わせて重要視されています。
リスニング力をつけるには、リスニングCDが付属した問題集や参考書を活用し、読解学習と並行して耳からも英語に触れる習慣をつけることが重要です。目で読んで理解できる英文を、耳で聞いても理解できるようになるまで繰り返しましょう。
英作文
自由英作文や指定語数内での記述など、思考力と表現力が求められます。「将来の夢」「自己紹介」「地元の魅力」などの定番テーマに加え、最近では「SDGs」などの社会問題について意見を書く出題も増えています。よく出るテーマで作文練習を重ね、先生の添削を受けることが上達の近道です。
文法/語彙
文法は、基礎から応用まで一貫した理解が求められます。「受動態」「比較級」「関係代名詞」など、テーマ別にしっかり学習しましょう。語彙については、教科書に出てくる単語をベースに音読・暗記を行い、市販の単語帳やアプリも活用すると効果的です。
長文読解
語彙力と文法力が土台となり、そこから読解力が育まれます。教科書や学校のワークの英文を音読し、最終的には辞書なしで内容を理解できるレベルを目指しましょう。粘り強い継続が力になります。
スピーキング
東京都などではスピーキング試験も導入されており、タブレットとマイク付きヘッドセットを用いた録音形式で行われます。イラストにもとづいて状況を説明したり、自分の意見を述べたりする形式が一般的です。ALTとの会話練習や英検2次試験のような練習を日常的に行い、シンプルかつ明確に話す力を養いましょう。
英語の点数をあげるのが難しい理由
英語は「積み上げ教科」と呼ばれます。これは、基礎となる内容が理解できていないと、次の単元の学習に進んでも理解が難しいという特徴をもつからです。たとえば、be動詞と一般動詞の区別が曖昧なまま現在進行形を学んでも、混乱してしまいがちです。
数学などの他教科であれば「単元Aは苦手でも、単元Bは得意」といった部分的な得意・不得意が許される場合がありますが、英語はそうはいきません。そのため、苦手意識を感じたら、いったん戻って基礎からやり直す「遠回り」が、じつは最短の近道になることも多いのです。
英語の点数を伸ばす勉強方法・コツ
先述したとおり、英語は積み上げ教科です。つまり、勉強の順番を守りコツコツと基礎を固めていく必要があります。それでは、英語の成績を上げるためには、どのような勉強をどの順番で行えばよいのでしょうか。効果的な学習方法とその手順を解説します。
勉強の順番
まずは語彙力を鍛えましょう。高校入試に必要な単語数は約2500語といわれ、以前よりも大幅に増加しています。単語力は成績向上に直結するので、教科書に出てきた単語は毎回しっかり暗記するのがおすすめです。
次に文法を理解することです。文法は文章理解の基礎となるため、問題集を使って「主語と動詞」「時制」「助動詞」など、テーマ別にていねいに復習していきましょう。
単語と文法が固まって慣れてきたら、長文読解の量をこなすのに専念しましょう。学校のワークを繰り返し読み、最終的には辞書を使わずに理解できるようになることが目標です。
また、入試には必ずといってよいほどリスニングの問題が入ってきます。CDや動画教材を使って、リスニングの練習を重ね、長文読解と並行してリスニング力も伸ばしましょう。
暗記のコツ
自分に合った単語帳を1冊選び、最低3周繰り返して使い込みましょう。チェックをつけながら覚え、効率よく苦手をつぶします。単語やフレーズを覚える際は、音声・映像教材を積極的に使いましょう。視覚・聴覚両方から覚えることで、記憶の定着率が上がります。
YouTubeや学習サイトなどで無料で学べるものも多いので探してみるのもおすすめです。さらに、時間に余裕があるときに、自分で英単語カードを作ると記憶にも残りやすくなります。声に出しながら、順番をシャッフルして繰り返し取り組みましょう。
人の記憶は、視覚・聴覚・発声を連動させた方が定着しやすいとされているので、英単語、文法、長文、リスニングすべてにおいて、声に出して学ぶことを意識しましょう。発音やアクセントの確認にもなり、スピーキング対策にも効果的です。
英語の問題集の選び方と使い方
問題集を選ぶときは3つの注意点があります。1つ目は、必ず自分のレベルに合ったものを選ぶことです。難しすぎるものは避け、確実に理解できるものを1冊選んでやり込みましょう。1回だけでは定着しないので、最低3周は繰り返すこともポイントです。間違えた問題には印をつけながら繰り返し、苦手箇所に集中しましょう。
2つ目は、同時に複数冊使わないことです。色々な問題集を見ていると「これもやらないといけないかな」と迷ったり、焦ったりしてしまうかもしれません。しかし、いろいろな問題集に手を出すと中途半端になってしまうので、まずは1冊を完璧に仕上げることを目指しましょう。
3つ目は、志望校対策として過去問演習に取り組むことです。志望校の過去問に取り組むことで、出題傾向や時間配分、苦手分野が明確になります。3~5年分に挑戦し、わからなかった部分は教科書や問題集に戻って復習しましょう。本番を意識して、時間を計って解く練習も大切です。
まとめ
高校受験の英語は、正しい順番と方法で学習すれば、確実に点数を伸ばせる科目です。単語、文法、読解、リスニング、スピーキングと多岐にわたる分野ごとに、自分のレベルとペースに合った方法で対策していきましょう。どうしてもひとりでは難しい場合には、家庭教師や塾など外部の力を借りるのもひとつの手段です。効率よく力をつけ、第一志望校合格を目指してがんばりましょう。