小学生が勉強の習慣を身につけるにはどうすればいい?
勉強は受験のためのものではなく、成人したあとも勉強は続きます。よって、小学生のうちから勉強の習慣を身につけておくことは、学習の基盤を築くために非常に重要です。しかし、子どもたちの勉強習慣づくりに悩む保護者も多いでしょう。この記事では、最適な学習時間と、その効果的な取り組み方について詳しく解説します。
子どもに勉強習慣をつけさせる方法
ここでは、子どもが勉強を継続する力を身に着ける方法について解説します。
環境を構築する
勉強習慣を身につけるためには、まず勉強しやすい環境があることが重要です。子どもが集中できる環境はそれぞれ異なります。たとえば、ひとりで教材に向き合うのが得意な子どもには、静かで落ち着いた子ども部屋が適しています。
一方、質問などを通して家族とのコミュニケーションを取りながら勉強したい子どもには、リビングなど家族のいる場所がよいでしょう。自分の部屋でのひとり学習は、しっかりと取り組めているのかどうかを確認しづらいものです。
そのため、ドアの開放や、たまにのぞいたりすることで学習状況を把握しましょう。また、リビングはもともと勉強するための場所ではありません。照明の明るさや椅子の高さなどに注意し、勉強しやすい環境を整えることが大切です。
適切な教材
勉強の教材は、一般的にレベルや目的別に分けられていますが、子どもの理解度に合ったものを選ぶことが大切です。たとえば、むずかしい問題集を与えた場合、効果的な学習にはならず、拒否反応を示してしまうかもしれません。まずは子どもの現在の学習状況を把握し、そのレベルに合った教材を選びましょう。
日常生活に組み込む
学習を日常のルーティンに組み込むことが、勉強を習慣化する効果的な方法です。子どもが成長するにつれて、学習習慣を確立させにくくなるため、小学校低学年のうちなどに早期に定着させ、勉強することがあたりまえの生活にしましょう。
保護者がやるべきこと・やってはいけないこと
習慣の定着は、保護者の関与なしには成り立ちません。しかし、やるべきこととやってはいけないことを把握しておかなければ逆効果になり、学習意欲を奪ってしまうでしょう。
やるべきこと
勉強は、見守ることが大切です。細かく指示を出すのではなく、子どもが自主的に勉強する環境を整えましょう。勉強の仕方に迷った場合、分からないところが出てきた場合に、はじめてアドバイスするのが理想的な状態です。
子どもに考えさせ、決断させることを基本にしつつ、適切なタイミングでサポートを提供しましょう。また、褒めることも重要です。勉強に対する姿勢や成果を具体的に褒めることで、子どもは達成感を感じ、自信が出てきます。
さらに、保護者も一緒に学ぶ姿勢を見せることも効果的です。勉強することは誰もが実施しているあたりまえのことと感じられるため、習慣化させやすくなります。
やってはいけないこと
テストの点数に一喜一憂するのは、子どもに悪い影響を与えます。よい結果が出たときに褒めることは大切ですが、点数が悪かったからといって頭ごなしに叱りつけるのは逆効果です。毎回のテストの点数に振り回されるのではなく、次によい結果が出るようにサポートしましょう。
また、兄弟や友達と子どもを比較するのも避けるべきです。子どものやる気と自信を損なう原因になってしまいます。
さらに、たくさんの教材を与えて詰め込むのも避けましょう。多くの教材を無理に押し付けると、勉強がただの作業になり、知的好奇心が失われる可能性があります。子どものレベルにマッチした教材を選びましょう。
学年別の取り組むべき学習時間
学年ごとに、適切と考えられる勉強時間があります。各学年に応じた時間で勉強することで、無理なく勉強を継続していけるでしょう。ここでは、学年ごとのおすすめ学習時間について説明します。
小学1・2年生
習慣が定着していない時期には、まず日常生活になかに溶け込ませ、自然に身につけさせるとよいでしょう。たとえば、日常のルーティンに少しずつ勉強時間を組み込むようにします。週末から始めるなど、無理のないペースで進めましょう。勉強時間の目安としては、1日15分から30分程度が適当です。
小学3・4年生
学習内容が徐々にむずかしくなり、学習のボリュームも増加してきます。この時期は、基礎的な学力を確立するための重要な期間です。勉強時間の目安は45分から1時間程度です。勉強を始めた最初は宿題に集中し、残りの時間は復習や自主学習に充てると良いでしょう。
わからないことがあったときにサポートできるように、子どもの学習状況を把握しておくことが大切です。
小学5・6年生
高度な学習内容が登場します。苦手な科目や理解度に合わせて勉強することが求められます。宿題に加えて、苦手科目の補習や次の日の予習など、効率的な勉強方法を取り入れましょう。また、塾などの外部教育機関を利用することもひとつの方法です。時間の目安は1時間15分から1時間30分程度です。
まとめ
小学生にしっかりと身につけさせるためには、保護者の効果的なサポートと、学年に応じた適切な学習時間の把握が欠かせません。保護者は、子どもの自主性を尊重しつつ、見守りや励ましの姿勢を持ち続けることが大切です。低学年に学習習慣を形成し、中学年では自主的な学習をスタートさせ、高学年では効率的な方法を取り入れることが重要です。これらのポイントを押さえながら、子どもたちに無理なく身につけさせていきましょう。